社会と向き合う映画
是枝裕和監督の授業があった。
題材は『誰も知らない』。
1989年に起きた事件をモチーフにしている。
彼の映画を一言で言うなら「社会と向き合う姿勢」だ。
授業で言ったこの言葉でそれを実感した。
「政治、メディア、法律、社会は網の目になるべきである。」
これは、例えば、法律で救えないものをメディアで救い、
政治で救えないものを社会が救うべきってこと。
なのに、今は価値観が一元化している。
悪いと思ったらみんなが一斉に非難し、叩く。
色は白か黒しかない。
そうじゃなくて、もっと多様な価値観を持つべき。
実際のこの事件の時には、母親への非難が集中した。
YOU演じる「母親=悪」という描き方をしなかったのもそのため。
これが、是枝監督の社会と向き合う姿勢である。
俺は映画を見る時、メッセージってとこに軸がある。
それだけでは、この映画の魅力はわからない。
もっと違うアプローチも必要なことに気づいた。
結構でかい収穫だ。